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静かな生活/デュラス=著/白井浩司=訳

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講談社刊
講談社文庫 B11
3刷−1971年7月28日発行
文庫判・並製・カバー巻・本文224P
発行当時の定価:260円
ISBN:なし
弊社在庫管理番号:071113010123

★内容:
南西フランスの田園と海辺を背景に展開される、肉親間の殺人、自殺など、死に侵された没落ブルジョワ一家の倦怠と狂気と不毛の愛…。現代の虚無と不条理を個性的な文体で表現するフランス女流文学の第一人者マルグリット・デュラスの異色長編。
(カバー巻末面の内容紹介より)
彼女の小説の筋や趣向がいかに異っていようと、夫婦間の疎外という状態が主題として一貫していることに気づかざるをえない。…この夫婦間の疎外というテーマは、恋愛における疎外、社会における疎外のテーマと結びつき、あるいは互いに重なりあい、さらにそこから、孤独と幽閉、あるいは密室恐怖のテーマが導きだされ、逃避と脱出のテーマへと発展して行く。…これらのテーマの深部に見られるのは一つの固定観念ではないか、とイヴ・ベルジェは指摘する。それは、アンカルナシォン(Incarnation)という固定観念である。アンカルナシォンとは、キリストの化肉、すなわち御託身を意味し、そこから権化、化身、つまり観念が人間の肉体を借りて具現することを指すようになった言葉だが、…『静かな生活』では、反アンカルナシォンの状態、つまり、観念が託されるべき人間が空無化されるという状態が生まれた、とベルジェは見る。主人公において見られる存在感の欠如と無関心さ、と言ってもよい。
…通俗小説風に言うならば、二つの孤独な魂が、南仏の僻村でひそかに寄りあう、というのがこの小説の結末で、真実の「静かな生活」が彼らを待っているはずなのだが、そしてこのときはじめて、イヴ・ベルジェの言うアンカルナシォンがフランシーヌにもたらされることになるのだが、この幸福な結末は、ほんとうを言うと、私たちを安心させるものではない。それはこの二人が、なにか非人間的なものを分泌しているからであり、二つの孤独な魂というよりも、二つの「物である人間」が結びついたという印象を持たずにはいられないからだ。
(解説〈白井浩司〉より)

★状態:並上
【帯】なし。
【カバー】背部分を中心に、全体にやや強いヤケ・ホコリヨゴレがあり、コスレ・シミも少しあります。また上下辺部には弱いヨレがあり、背の左右にはシワもあります。巻末側袖の下部には値札シールを剥がした痕もあります。
【表紙】背の周辺がやや強くヤケ(褪色し)ており、上部には圧迫されたことによる歪みもあります。
【本体】天面と底面に経年相応の、その他の周縁部に弱いヤケ・ホコリヨゴレがあります。
【本文】ページの周辺部にごく弱いヤケがありますが、使用感はあまり感じさせず、また本文中には線引き・書き込み等もなく、良好な状態です。

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