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中央公論社刊
中公文庫 A50−2
初版−1976年5月10日発行
文庫判・並製・カバー巻・本文212P
発行当時の定価:260円
ISBN:9784122003316
弊社在庫管理番号:071113010113
★内容:
都会に住むにふさわしい人間がいて
人間が住むにふさわしい都会があって
時空を超えて暮らしを思わせる東京の昔
自転車屋さん、留学志望の青年…
おでん屋の酒の匂いも漂う長篇異色作
(カバー巻末面の内容紹介より)
吉田健一という作家は不思議な作家である。文士という言葉を使いたくなる数少ないひとの一人である。食べものの話とか、飲み屋の話とか、あるいはパリの風物とか、ロンドンのクラブとか、他の作家が書くと往々にして歯が浮きそうな題材を扱って、それを大変しっくりとサラッとこなす資質をそなえている。いかにも趣味人ぶって味覚を語ったりは、吉田氏はしない。プルーストやマラルメといった、なにやら神話につつまれたような名前も、吉田氏が口にすると、彼等が本来そうだったはずの気取りもてらいもない、路傍に咲いている平凡な草花のような落着いた雰囲気が生まれる。これは実はあたり前のことかもしれないが、われわれの周囲にはあたり前でない気負いや片意地やポーズがあまりにも多すぎるので、かえって吉田氏の姿勢が新鮮に見えるのだろう。
…「東京の昔」という作品は、…たぶん昭和の初期から昭和十年代の前半ぐらいの時期を思い浮かべればよいのだろうと思う。…その自分の東京の雰囲気が、エピソードや描写の端々に生き生きととらえられている点がまず印象的である。…
また話の途中から…短いフランス語の片言が出てきたり、ラフォルグの詩がどうしたとか、コクトーの新刊書がどうしたという話がやたらに出てくるのだが、面白いのはそういう会話がおしま婆さんとの四方山話と同じ次元で、くすんだ色調で淡々と語られている点だ。…吉田氏はここで明らかに同時代の日本の不自然さ、ぎこちなさ、なにかに駆り立てられて本当の生活の味わいを忘れているような貧しい雰囲気を批判しているのだが、それが「犬の日向ぼっこ」の地点からゆがみを突く形でなされているのが新鮮である。…
(解説〈入江隆則〉より)
★状態:並下
【帯】なし。
【カバー】背周辺にやや強く、その他も全体的に経年相応のヤケ・褪色・ホコリヨゴレ・コスレがあります。カバーをかける位置が若干ずれています。
【表紙】背部分に弱いヤケ(褪色)があり、背の上下辺にはヨゴレがあります。背の下部には傷みもあり、巻末面の上辺には弱いヨレもあります。
【本体】天面に強く、その他の周縁部にやや強いヤケ・ホコリヨゴレがあります。底面にはシミも少しあります。
【本文】ページ面の周辺部にやや強く、その他も全体的に経年相応のヤケ・ホコリヨゴレがあります。本文中に線引き・書き込み等はありません。
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